平成14年度豊島区学校医会勉強会

「日本で一番早いインフルエンザ講演会」

田村医院 田村 仁

 2002年9月12日「水曜日」いつもの診療が終わるやいなや、超スピードで豊島区医師会館に駆けつけました。演者の宇野信吾先生はもう既に到着して、パワーポイントの最後の調節をしていました。彼は朝の熊本発全日空機でわざわざ豊島区学校医会の為に東京まで講演に来てくれました。財団法人化学及血清療法研究所人体ワクチン学術担当の責任者をしています。又毎月私たち現場の医者に「月刊ワクチン情報」と言う「インターネット情報」を編集送付して戴いています。日頃よりとても感謝してます。ありがとう。「愛」7時半になったので講演会は開始されました。いくつかに分けて説明されました。

:インフルエンザの流行について。:インターネットが発達した現在。国立感染症研究所[http://idsc.nih.go.jp/index-j.html]にアクセスすると現在のインフルエンザの流行状況が瞬時に解るシステムが組まれています。筆者はこの情報とは別に小児科インフルエンザMLネットワーク「http://www.children.or.jp/research/flu2001」も更に使用しています。
このシステムを参考に全国的なインフルエンザの流行を医院に居ながら瞬時で把握が可能。又保育園・小学校・幼稚園等に「インフルエンザ注意報」を知らせることができました。

:今年度の流行状況が解説されました。:2002年1月の14日頃からA型ソ連「H1N1」とA型香港「H3N2」の両者の流行が始まりました。2月に入り更にB型インフルエンザも加わり流行はピークに達した。この状態が3月下旬まで続いた。診断キットの改良で面白いことが見つかった。今までは7月や8月には無いとされていたインフルエンザが夏にも発生している事実が証明された。B型がこの季節はずれの流行の主役でした。

:インフルエンザウイルスの歴史:死に至るような猛烈な「風邪」の報告は1889年頃より「旧アジア風邪」、「旧香港風邪」などがあった。世界中を震撼させたのは1918年から大流行した「スペイン風邪【H1N1】」です。当時、世界の人口の50%が感染。死者の数は2千万人以上だったそうな。米国では南北戦争と第二次世界大戦の戦死者の合計数よりも大きく上回った。【何でアメリカがインフルエンザワクチンに国家防衛同等の積極的な訳がわかった。】。日本では1918年から1921年の間に2380万人が罹り30万人以上が死亡した。当時の人口動態を考えてみると深刻な事態だったのでしょう。
1957年に入ると、H2N2と言う「アジア風邪」が流行をし始めた。大体インフルエンザウイルスは20年ぐらいに一回姿が変わるそうです。変身すると免疫がないので大流行します。このアジア風邪は1968年まで続いた。死者の数はスペイン風邪の10分の一くらいだった。1968年からは、H3N2の香港風邪が流行した。たったの六週間で全世界に流行し50万人が罹り5万6千人以上が死亡した。1977年からはH1N1のソ連風邪が流行し始めた。これ以後H3N2の香港風邪とH1N1のソ連風邪とB型の三者が混合流行しています。此の流行も歴史学的に見ると、次の大流行の危機が到来しています。
香港ではやろうとしていた「トリ型インフルエンザ」は香港政庁の積極的な撲滅運動の結果火を消した。これが次の大流行の前触れだったかも知れません。将来の事は解りません。

:今年のインフルエンザの予想株:最近の予想は高率に当ります。:2002年から2003年に流行が予想されているワクチン株は、A・ニューカレドニア・20/99「H1N1」と、Aパナマ・2007/99「H3N2」と、B・山東・7/97の三種類です。これは今年のワクチン株に入っていたB型山形が当らなかったことの反省から、B型の株を代えた。きっと今年のワクチンはもっと効果があるでしょう。期待しましょう!。

:ワクチンの流行阻止の効果について。:1から2才は接種量が少ないために?「アメリカと比較すると明らかに少ない量だ。」、優位さが無いが、3歳以上では確実に効果がある。

:それまで学校で接種していなかったインフルエンザワクチンが学校で集団接種と言う方法で1962年から1987年まで行われた。しかしワクチンは効果が無いという風評が各マスコミで盛んに論じられて遂に無料での集団接種は廃止された。後は「自己の責任の元に」、費用は各自で持って、「接種するかしないか?」は、「自分でお決め!。」と言う暖かい政府のお陰で「子ども達にとっては恐怖の集団予防接種」が廃止された。過去を顧みて判明したことは、少なくても子ども達の集団予防接種は高齢者の「超過死亡現象」を優位に低くしていた事。予防接種はそれなりの日本国民にとって利益「=国益」があったと言う事だ。

:高齢者におけるワクチンの効果:ワクチンは39度以上の発熱する割合を50%低下させ有効率55%で、死亡を防ぐ効果は82%だった。副作用は微熱・注射部位の脹れと発赤くらいだった。インフルエンザと言う「致命的」なウイルス感染症を防ぐとても大切な予防接種であると証明された。

:ワクチンができるまで。:カップラーメンのようには簡単には作れません。昔のように自然の大地で飼ったコケコッコー「自然?:雄が一匹に対して雌10匹」の有精卵「コケコッコーと生まれて11日目」にウイルス接種して、2日間35度で培養してウイルスを取り出して3ヶ月かけて最終国家検定を受けて合格してから、製品を包装して出荷となる。従って1日に生産される限度は十万本くらい。急に騒いで欲しい欲しいと殺到すると欠品状態になります。従って6月にもう既に予約注文が開始されます。「これをマスコミは買い占め」と非難します。私は「努力」だと思います。田村医院ではもう既に昨年度の患者様の分は予約しました。ご安心下さい。何でも見えないところでの努力が大切です。

:日本におけるインフルエンザワクチンの供給量:国家防衛の基本です:何も外国の軍隊ばかりが日本を滅亡させるわけではない、伝染病と言う名の「軍隊」が最も恐ろしいことが理解されていない状況がナンセンス。伝染病から日本国民を守る事は国防の重要な課題だと筆者は考えています。鉄砲ばかりが防衛ではない。過去に戦争よりもっと世界の人々を死に追いやった悪魔は「疫病=>インフルエンザ」なのです。此の最も良い対抗手段であった「予防接種」は、な・なんと1994年度には供給量「ゼロ」になった「マスコミ反省」でも事の重要性を知った厚生労働省は危機感を持ち大増産を各メーカーに要請した。補助金も出たのだろうが、此の結果昨年度は1045万CC「2000万人分?。」を確保した。

10月の中旬から接種を開始しますが、10月は高齢者検診のために午後のみの接種になります。「疫病から国民を守る事【=国防という】にもっと関心が持たれる。」事を祈って終。



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