2月22日
「木曜日」に行われた平成12年度学校医・養護教諭研修会【「子供のけが」と小児外科的な病気】の勉強会の報告。  横森節! 絶〜好調?!〜。    
田村医院 田村 仁

 2月22日午後2時より予定の2時間の倍の4時間をかけて【「子供のけがと対処方法」と「小児外科的な病気」、「最新の漏斗胸手術について」、「血友病の副腎ガンの内視鏡手術」と「ベトチャン・ドクチャン=シャム双生児の分離手術」と言う「とてつもな〜い数多くの?演題【ホントは3回に分けて、デモ予算の関係上】」で日本赤十字社医療センター小児外科部長の横森欣司先生の講演会が、東京都豊島区医師会館にて午後2時から5時47分まで行われました。

 筆者は、講演前にお茶を飲み過ぎたので、「オシッコがチビりそう」なのを我慢して聞いていました。当日の1時頃欣チャンが田村医院に来ました。朝電話がかかって以下のことが決まっていました。「電車で行くから板橋で待ってテーの事。食事なんにする〜?。いつもの鍋焼きにする事。」です。

 1時に横森先生が来て「ハーハー。ずるーっと」一気に昼食が終わり、医師会館に向かって車を運転した。医師会館に到着して見ると、製薬会社の友人達の手で会場の設定が成されていました。この様な手伝いは製薬メーカーとの協力関係としては望ましいことだ。ア・リ・ガ・ト・ウ・と感謝をしました。

 定刻通り豊島区学校医会元会長、関先生の開会挨拶から始まりいつものように「横森先生の御略歴」に続いて講演が始まりました。「今日は五百枚以上のスライドを使用しますので、用事のある方は、時間になったらお帰りなって結構です。」横森先生曰く。

 「しかしこんなチャンスは逃せな〜い。」のが聴講生の気概。テキストは「いつもの」「あわてないで!子ども救急&アレルギーノート」です。このテキストに沿って粛々とスライドが始まりました。

1:子供のけがと救急処置について。

 1:赤ちゃんの時代:特に気をつけたいのは「扇風機に手を入れること」この防止
   には果物などを入れるネットで指が入らないように周りを囲みます。
 2:ポット、タバコ、化粧品。お菓子、などを赤ちゃんの手が届くところに置かない
   こと。
   特に「ピーナッツ」は「危険」。しけったピーナッツは「アフラトキシン」と言う発ガ
   ン性のあるかびが生えやすいので、赤ちゃんが誕生したら少しの間「止めてお
   こう」。
   叉もし飲み込むと気管支に詰まり気管支鏡、気管支ファイバースコープで取ら
   なくてはなりません。昔筆者は、『柿の種』と間違えて『ゴキブリ』を食べてしまっ
   たことがあった。懐かしい?いやーな思いで。
 3:ゴキブリは耳の穴に良くはいる。筆者の経験では、救急外来でのお話。多摩
   川総合病院で新米医者の時に、耳の穴にゴキブリを入れた子どもが来院、
   ものすごく泣いていた。
   懐中電灯を当てると「目が光った」そして「ゴキちゃん」が飛び出してきた。こち
   ら医者側もびっくり!。思わず「スリッパ」で叩いていた。その「ゴキちゃん」を記
   念にオトオさんは持っていった。
 4:子どもは「思いがけない事」をします。信じられない事をします。

 要は事故と言うものは起きる場合があるが。『あわてないで冷静に!対処しなさい』。

報告2−2:小児外科的な病気と最近の小児外科学の進歩:

 横森先生は徹夜で「スライドの準備とレジメの印刷」をしてくれたそうです。感謝感激。

その一:鼠径部・泌尿器疾患:
 1:鼠径ヘルニア:脱腸帯等を使用してはいけない。2泊3日で簡単に治るので是
   非勉強して〜?紹介。日赤病院自慢の作品の数々を披露していただきました。
 2:陰嚢水腫:チンチンに水が貯まる事。これも紹介状をお書きして紹介します。
 3:停留睾丸:出産前に「チンチンたまたま」は袋に入っていないと、将来子種が無
   くなります。袋は自動車で言う「ラジエーター」みたいに冷やす器官で32度前後
   になっている事を教えていただいた。冷やすことは大切な事と早期発見早期治
   療が将来を決める。
 4:移動性睾丸:タマタマも、たまには体のいろんな場所に家出してしまう場合があ
   るので、「困った時」は「家庭医に相談して」が筆者の願い。
 5:睾丸軸捻転症:くる・クルと玉が動くと痛い。筆者が野球部の時にボウルが当た
   ってチョ〜ウ痛かった。これもひどく痛い泣き叫ぶ時は要注意、是非紹介状を〜。
 6:睾丸炎:我が子の睾丸が赤く腫れたときは家庭医にご相談を〜。
 7:亀頭包皮炎:チンチンの皮の皮の中に貯まる汚い恥垢「ちこう」が炎症を引き起
   こします。膿が出ますので、抗生物質の内服と軟膏を消毒後に塗り混みます。
 8:包茎:外国では生まれた直後に、チンチンの皮を切る。頭が出ない「トックリ型」
   は「横森式1泊二日」手術でもう「OK」。悩むことはない、早期発見早期治療。
   筆者も横森式で…?今からじゃ遅い、早期発見早期治療。

その二:臍部「へそ」・肛門部の疾患:
 1:臍ヘルニア:おへそが大きく穴があいている場合:昔は「十円玉を当てて」等メ
   チャメチャな指導がなされていました。問題は、この穴から「腸:チョウ」が出てき
   てしまう事。この場合は手術します。一五分くらいで十分。日赤自慢の症例の呈
   示。筆者感心。
 2:臍炎:さいえん:お臍にばい菌が繁殖して、お臍が臭くなる状態。筆者は「ピオク
   タニン」溶液で処置してから「リンデロンvg」クリームを塗布します。
 3:臍肉芽腫:さいにくがしゅ:お臍のところから肉が盛り上がった状態:硝酸銀の棒
   を押しつけて焼いた後、生理食塩水で洗う。
 4:先天性臍瘻孔:せんてんせいさいろうこう:元々お臍【へそ】はカエルにはなくほ
   乳類にのみ有ります。お臍はお母さんの体内にいる間に腸とか尿管との間を閉
   じて「おぎゃー」と言って生まれるときにはお母さんの胎盤とのみ交通しています。
 5:腸と通じている事があります。この様なときは、お臍が「くっちゃーいー」と言うこ
   とになります。
 6:尿管と通じている場合は、お臍から「オシッコ」が出ると言うことになります。

以上を逆手にとってテレビに出演しても良いですが、一般的には日赤医療センター病院小児外科の横森先生に紹介します。デベソもひどければ「横森式かっこいい臍」に変身できます。此処で、もう膀胱いっぱい頭いっぱい状態。でも横森先生についていこう。
頑張ろう!

 

続2月22日の校医・養護教諭勉強会の報告3。
                        
田村医院 田村 仁
5:
肛門周囲膿瘍「乳児痔瘻」:ゴメンネ・ジロウなんて歌が流行ったことがあった。
イヌも歩けば「痔瘻」に当たる。ではないが結構「乳児痔瘻」も有るそうです。こういう状態の時は、「抗生剤」の内服と「ゲンタマイシン」軟膏などの塗布を行い、便の性状を軟らかくして治るのを待ちます。赤ちゃんは痛いので泣きます。これを放っておいては「ゴメンネ〜赤ちゃん」となります。
6:直腸ポリープ「若年性ポリープ」:赤ちゃん達も大人達と同じ色々な病気があると言うことを改めて知りました。血便などが出たら状況を確認して、横森先生に送院しましょう。
7:痔静脈瘤:大人達にも結構いるので、赤ちゃん達にはやはり「チョウ」名人の横森先生に「御高診?」願いましょう。
8:陰唇癒合症:いんしんゆごうしょう:大陰唇や小陰唇などがくっついている状態:
赤ちゃんの局部を十分に観察して、「かっこわるかったら」すぐに相談。家庭医を大切に。
9:尿道ポリープ:オシッコの出る場所にポリープがあると赤ちゃんは痛いし、おむつに出血します。すぐ家庭医に相談して下さい。
10:小陰唇肥大症:何しろ観察して「かっこわるかったら」家庭医に相談して下さい。
11:膣閉鎖:鎖隠:さいん:処女膜がぴったりとしまっているので、膣内の分泌物が出ないので腫れてきます。小児外科に頼みます。
12:裂肛:でっかいウンコをすると、肛門がさけてしまいます。この場合は「強力ポステリザン軟膏」を塗り込み治るのを待ちます。あまり頻回にさけるときは、「先天性巨大結腸症」を疑います。家庭医に乞う、ご相談。
13:水膣症:膣に水が貯まり腫れてきて外に出てくる。この様なことも起こり得ますので、何でも家庭医に相談して下さい。
14:精索静脈瘤:圧倒的に左に多い、男性不妊の原因になります。静脈が鬱滞することで温度が上がり、タマタマは精子を作れなくなります。チンフクロが大きくなるので観察が大切になります。ヘルニアを合併することもあります。

その三:体の表面の腫瘤:体の表面のオデキ:
 1:石灰化上皮腫:皮膚の下に「オデキ」ができて「石灰」が沈着して固くなる。
 2:リンパ管腫:足のけがなどを放っておくと、傷からばい菌が入ってリンパ管を伝
   わって化膿して、パンパンに腫れてくる。筆者も経験が有ります。中学生が来た、
   下肢がパンパンに化膿していた。抗生剤の点滴をして、一応処置して事なきを
   得た。
 3:血管腫:いちご状血管腫「カフェオレスポット」等と言います。家庭医に相談して
   下さい。必要が有れば送院します。放置でよいと先生は言いましたが・・。美容
   的に悩むような時期まで来たら、「レザー治療」等を考えますので家庭医にご相
   談下さい。
 4:皮様嚢腫:本来無い所に、髪の毛や爪、皮膚の構造が出ていわゆる腫瘤とな
   った場合:切除します。これも家庭医に相談下さい。必要ならば横森先生に紹
   介状を書きます。
 5:脂肪腫:脂肪の入った袋ごと丁寧に取る必要がありますので相談下さい。

横森先生大サービス。更に頑張ろう2月22日の勉強会報告5:
                             
 田村医院 田村 仁
1:
正中頚嚢胞:赤ちゃんはお母さんのおなかにいる胎生8週位までに体としての完成がなされる。即ち背中から胸に向かってくっつくのです。従って体の真ん中に色々な不都合が起きます。正中【真ん中】の首の所にできる腫瘍のことです。ふつうはリンパ節が腫れますが、これはリンパ腺ではありません。まず結核性の病変を疑います。次は悪性腫瘍・・を疑います。この様な悩みがありましたらば是非ご相談下さい。紹介状をお書きします。
2:側頚瘻孔:耳に穴をあけることが今流行していますが、生まれつき首に穴があいている赤ちゃんがいます。化膿すると良くないので縫合します。
3:思春期乳腺肥大:思春期は筆者にもあった。桜の花びらが落ちると何とはなしに悲しくなって〜涙が〜・・。そんな時期に乳腺が大きくなります。お母さんは心配ですが、家庭医にご相談下さい。
4:副乳:元々オッパイは二個ではなくて6個あった。人間の進化の末に二個になった。他の4個は退縮してしまった。これが面影を残すと、副乳と言ってオッパイと腋の間に出現します。これは放置でよいです。将来の彼?が喜ぶかもしれません。
5:若年性乳腺繊維症:子供でも大人でも繊維腫と言う腫瘍ができます。この様なときに名人に手術をやってもらえるのか?、新米にやられるのかで、将来が大きく変わります。
是非横森博士に御願いしましょう。傷跡も目立たないように上手にオペしてくれます。

そのW:その他の頻度の高い病気:
1:肥厚性幽門狭窄症:ひこうせいゆうもんきょうさくしょう:胃の出口が先天的に狭い。
赤ちゃんはそのために噴水状に嘔吐します。体重の増加が思わしくない。等があり、おなかを触るとソーセージ用の物を触れます。これは簡単な手術で治ります。傷跡も横森式の場合目立ちません。
2:腸重積症:腸の中に又腸が重なりだんだん長くなっていきますと、腸が腐ってしまいます。これはとても痛いので「ぎゃー」と叫び泣きます。又浣腸をすると血液が出ます。
ロタウイルスの後や感染性胃腸炎の後に腸管が調子が悪くなって発病すると考えています。
これも早期に横森式手術を行い腸もチョウ良い状態で元通りにします。
3:急性虫垂炎:モウチョウ:赤ちゃんは症状を言いません。泣くのみです。嘔吐、下痢、
不穏状態が観察されたら相談下さい。
此処まででスライドの光を閉じ、照明を明るくして、「なにか此までで質問はありませんか?」の質問に、「もう脳〜疲れちゃった〜。」なんて事はいえないので葛根湯をそっと飲んだリシチャッテ・・、この様な行為はオリンピックでは「ドーピング」にされてしまいます。ちなみに「葛根湯」は、娘達が勉強して疲れちゃった時にはよく勧めています。
一応一年に一回の開催予定でこの「校医・養護教諭勉強会」を開催しています。昨年は、雉本先生の「結核について」でした。今回は日赤医療センター病院小児外科部長の横森先生の講演を御願いした訳は、乳幼児の死亡数は、感染症は少なくなり、不慮の事故が10年間変わりません。危機意識から今回の講演依頼となりました。脳チョウお疲れ〜。

報告6更に「ビデオテープ」の供覧。横森先生出血大サービスの巻。
                               田村医院 田村 仁
1:
ロート胸:NUSS氏手術:
今までは手術をしても、傷跡が醜く残るので、学校健診の時も、「診ても異常なし」としていた「漏斗胸【はとむね】」の児童には朗報です。胸の横を少し切って、まず反対側の胸の横まで穴をあけてテープを使い、そのガイドでステンレスの棒を少しずつ入れて入ったら、一回転させてきれいな胸にします。数年間入れておくと、もう超きれいな胸に変身します。これを発明者の名前をつけて「NUSS:ナス氏」手術と言います。これを完璧にできるのは日本においては「横森欣チャン」しかいない。経験が一番です。

2:次に血友病の子供に副腎神経芽腫瘍【副腎ガン】ができて、その手術に「内視鏡」を使用したら、ほとんど出血しないで摘出できた。副腎神経芽腫の腹腔鏡下摘除術。
一般的には、副腎にガンができたら大きくお腹を開けて摘出します。もちろんたくさん血が出て輸血をする。日赤だけではないでしょうが最近では「腹腔鏡」が開発されたので、お腹をほんの数カ所針の穴を開けて、そこからファイバースコープを入れて切り取り砕いて外に出してしまいます。信じられない最先端医学。血友病の子供達でも心配有りません。

 医学や人間の知恵はこの様に「最先端」に使用されることが大切なことです。感動しました。欣チャン未だ後一つ残っているので、「お水を一杯飲んでね〜」て思いを込めてエールを送って、更に耳をそばだてていた。ここで再び講堂内が明るくなった。欣チャン「もう時間が過ぎていますのでお忙しい方はどうぞお帰りになって下さい。」我々聴講生は「この様な千歳一隅のチャンスなんて無いので帰れる分けないでショウー。」てな感じで、一生懸命「目をつり上げて聞いて」いた。最後に、次に『ベトチャン&ドクチャン』の話がありました。

 『二重双胎児=シャム』と言う言葉の由来から始まり、この二重双胎児が生まれる確率についてお話になった。この出生率は大変低いが、実際の話、出生数百万に一回位の確率で起こるそうです。そして当時ベトナム政府から日赤に救助の依頼があった事。日赤のドクターが急遽派遣されて、その一人が横森先生だったこと。そしてその時の経験が以後の二重双胎児の分離手術に大きな経験になった事。この事件を考えると我が青春時代のことが蘇ってきた。当時、私が未だ医学生時代、「白衣デモ」をしました。「ベトナム戦争反対」と大久保の校舎から西新宿の病院まで、お巡りさん達も警備に当たってくれていました。そのベトナム戦争当時、アメリカ軍は卑怯にも、南ベトナム全土に「枯れ葉作戦と称して」、「猛毒の枯れ葉剤ダイオキシン類」を飛行機から散布をした。ダイオキシンを直接かぶった人はやけどをして多くの生命を奪った。更に悲惨な事は「罪もない赤ちゃん」に被害が出たことです。アメリカは本当に他民族を何だと思っているのか・・てな考えをすると右とか左とか言われてしまうので止める。でも戦争は悲惨である。戦争はいけないと思います。その犠牲になった子供達を救ってくれた話はとても分かり易くてあっという間の4時間でした。やはり現場の「経験」が何事にも勝ります。多くの経験談を有り難うございました。横森先生に感謝。豊島区医師会、豊島区教育委員会の皆様に感謝。疲れた横森先生はこの後フィットネスクラブで水中歩行をするくらいタフだった〜。感謝。



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