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伝染性紅斑(りんご病)とは? 田村医院 田村 仁
伝染性紅斑は,ヒトパルボウイルスB19(HPV-B19)によって発症する感染症です。
顔が赤くなるので日本では俗にりんご病と呼ばれております。
一般的に小児に多く、5〜9歳がピークです。りんご病は軽い疾患で、発疹がでるほかは、軽度の発熱程度で自然治癒するので、特に治療を必要としません。成人にもこのウィルスは感染し、無症状のこともあるし、軽い発疹が出現したり、時に多発性の関節炎を伴うこともあります。
感染は、飛沫感染によるものと考えられており、潜伏期は14〜18日位であり、発疹が出現する前にウィルスが血中や咽頭に検出されますが、発疹が出現してからは検出されません。伝染性紅斑は5〜6年周期に大流行します。 免疫のない妊婦にHPV-B19が感染すると、流産や胎児水腫を発症することがあることが知られています。我が国の妊婦の抗体保有率は約30%程度ではないかと考えられ、すなわち、70%は感染に対して免疫がないと考えられています。
伝染性紅斑の症状で典型的なものとしては、顔面の『平手打ち様紅斑』と四肢伸側の『網状紅斑』があげられます。まず顔面の頬部にびまん性浮腫状の紅斑が現れます。それがあたかも平手打ちをされたように見えるため『平手打ち様紅斑』と呼ばれています。この紅斑は出現後1〜4日で急速に消退します。頬部の紅斑出現よりやや遅れて四肢伸側を中心に網目状またはレース状の紅斑が出現してきます。この皮疹は出現後約1週間前後で消退します。ただこれらの皮疹が消退した後も、入浴や日光や緊張などで軽度の皮疹が再燃することが知られています。再燃は、皮疹消退後も1〜4週間続くことがあります。この疾患は、一般的にほとんど紅斑の出現のみで他の症状は認められず,非常に軽症なのですが、時に関節痛、関節炎、筋肉痛などが発疹出現前後にみられることがあります。これらの症状は成人例に多いと言われています。非常に稀に紫斑、血管炎、肺炎脳炎などが生じることがあります。
一般的に、ほとんど心配のいらない疾患ですが、溶血性貧血の人と妊娠中の人は注意が必要です。溶血性貧血の人がかかった場合、貧血の増悪が生じます。また妊娠中の人がかかった場合には、HPV-B19が胎児側に感染し、流産、胎児貧血、胎児水腫、子宮内胎児発育遅延、子宮内胎児死亡などの原因となることがあるので注意を要します。
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