アルカリイオン水

 最近のブームの一つに、アルカリイオン水または、π[パイ]ウオーター、電子水などの家庭用浄水機器ブームがあります。しかし、ちょっと待ってくださいな! ゆっくりと、この問題について考えてみましょう。私達の飲んでいる水道水が昔のようなきれいで、おいしく、安全なものであったら、なにも機械何ぞ買わなくても良かったのに、、、。

 でも、いま飲んでいる水道水とアルカリイオン水とどちらが安全なのか? について、お話しをしてみましょう。参考文献は日本医事新報NO3606号[1993年6月5日]です。

 まず、アルカリイオン水の欠点について述べてみましょう。

 1:滅菌効果:すでに1880年代にコレラ菌を発見したコッホが、衛生学の祖であるペッテンコーファーとの論争で決着がついていた。即ちコッホの培養したコレラ菌を、ペッテンちゃんが飲んでみたが、発病しなかった。アルカリ水を飲ませてからコレラ菌を与えたところ、直ちに発病して重体になった。

 人間の消化器における滅菌のしくみを考えると、すぐに答えが出る。胃液は胃酸という希塩酸によってPH2以下の強い酸性になっていて、口腔より侵入した病原菌等を殺して自身の体の健康を守っている。確かに、細菌を、PH2の水とアルカリイオン整水器によるPH9の水に投入してみると、明らかにPH2の胃液には細菌は繁殖せず、PH9の方は圧倒的に繁殖する。この点で、アルカリイオン水は]1[バツイチ]となる。

 2:消化効果:タンパク質のペプシン[胃液の中に含まれているタンパク分解酵素]による消化効率は、PH1〜4の間が最も良い。アリカリイオン水のPH9では全くタンパク質は分解されない。この点でもアルチャンは]2[バツニ]となる。

 3:通常、アルカリイオン水をたくさん飲んだら、果たして胃の中はどうなるの?かについて: 一般人の空腹時の胃に、アルカリイオン水を100_リットル飲ませても胃液のPHは、PH=3.37となる程度である。たとえ1リットル飲んでも胃液がアリカリ性になる訳がない。]3[バツサン]となる。

 4:アルカリイオン水を飲んで人体、特に血液がアルカリ性になるか: 空腹時に、水道水を100_リットル飲んだ場合と、アルカリイオン水を100_リットル飲んだ場合とを比較したデータがある。どちらも胃液のPHは3位であった。胃液が酸性なのに、血液がアルカリ性になる訳がない。]4[バツヨン]である。

 何で、このようなアリカリイオン水信仰が出て来たかを考えていくことが大切です。

 理由1:現在の水道水に対する不満があります。日本国はそもそも地形学的に、水には大変恵まれた国です。古来山紫水明の土地で、世界中で一番といえるほどうまい水を持っている国で、昔は外国から船が来ると、まず日本の水を積み込むことが船の船員にとって大切な事となっていた、とさえいわれます。

 このような良い環境にある公共の水道水の取水源の更に上流には、ゴルフ場、化学工場、排水設備の無い別荘、ピクニックなんていってゴミの捨て放題の連中、四輪駆動ジープ[山の中を無差別にメチャメチャにしている]連中、等が存在します。

 この様な悪環境では、水道水はその水質を維持するのに大変な努力を必要としています。カルキ臭い、カビ臭い、まずい、等、色々な問題が起きています。しかし、日本人が一人ひとり、この環境問題に気が付いて対処しないと、近い将来大変な問題が引き起こされると思います。一人ひとりはたいしたことはやってないつもりですが、それが積もり積もると莫大な環境破壊となります。

 なお、現在の厚生省の基準の0.1ppmの遊離塩素濃度は、我々の味覚や嗅覚では到底判別できません。現在起こっている問題は、水道水使用者側の一種のアレルギー反応なのですが、将来の事を考えると、このアレルギー反応も『水の汚染を警告する』意味においては未来ある子供達にとっては、大切な事であると思います。

 要は、この日本人の親ごさんの不安に乗じて商売をするという企業の悪質な姿勢に問題があると思います。現時点ではイオン整水器などは必要はありません。これらを販売している企業は国賊とさえいえます。一番大切なことは、水源の上流にはゴルフ場や、別荘などは作らせないで、自然の状態を保持させる為に行政は、どうしたら良いのかを、日本国家百年を考えてくれる国民、官僚、政治家、の出現が望まれます。

 理由2:人間の味覚は、はたして酸性を好むか、アルカリ性を好むか?

 実験では、アルカリ性よりは、微酸性がおいしいとの事である。そもそも味覚の起源を調べると、今から200万年前に原始人が、100万年前にホモサピエンスが誕生した。それ以来、人類は大地の水によって生活をしていた。

 味覚そのものは、味蕾(みらい)と言って舌の神経細胞で感知される。水は無味にして無限の滋味を含み、世に水よりも美味い物はないといわれてきた。もちろん美味い水とは、その土地にに生まれた自然の水である。味覚などはいい加減なものである。ここに人間の頭脳の中が問題となる訳です。

 理由3:はたして人間の体は酸性が良いのか? アルカリ性が良いのか?

 『アリカリイオン水を飲めば、血液[体液]がすぐにアルカリ性になり、酸性食品のとり過ぎによって起こる酸性血症[アチドーシス;acidosis]が治るなど』は、全くのウソ!です。もともと人体の血液のPHの恒常性を維持するのは、飲食よりも呼吸なのです。

 CO2+H2O⇔H+[酸性]+HCO3⇔CO2+OH ̄[アルカリ性]という式による。

 結論は、人体の血液の恒常性維持にはあまり水は関係していない事、アルカリイオン水を飲むと体が丈夫になると言う事は、整水器を売りたいための業者とばかな医者が結託して起こしたいわゆる『ブーム』なのであると思います。そんなお金があったならば、もっと未来ある子供達に無添加の食品を提供するとか、地球上の恵まれない子供達に愛の援助をしてあげた方がよいと思います。

 大都市に住まざるを得なく、水道水をのまざるを得ない私たちにとって、水道水の取水源よりも上流で種々雑多な薬品、農薬、生活廃棄物、産業廃棄物、を流されると非常に迷惑します。未来ある子供達にもアユの泳いでいる昔の川を残しましょう!

 ちなみに仏教経典には、水の八っつの高徳、八功徳水が説かれている。道元禅師は、『正法眼蔵』に[水これ水功徳なり]と、[水は清浄法性なり、心身脱落の命脈なり]と説き、その物的効能以上ものまでも認めている。

 また,WHO[世界保健機構]は、『Clean water means better health』[きれいな水は健康にたいへんに良い]、更に遠く、医聖ヒポクラテスは『Air is means better health。Water is the mather of human life and disease][きれいな空気は健康にとって大変大切なものであり、きれいな水は人間が健康に生活するための母なるものであり、且つ病気になっている人にとっても大切な母である。]と言ったと言われている。

 いつの世も、水は大切なものであり、昔のような自然の水を取り戻す事は、現代の科学を十二分に用いたならば、絶対に昔のあの清流を、再び未来ある子供達に返せると思います。皆さん!もっともっと!充分に将来の子供達のことを考えませんか!!

 ついでながら、もうひとつ。私たちが生きて行く為に必要な空気はどうでしょう? もうメチャメチャではないでしょうか。わが家から朝起きて見る、首都低速高料金道路は朝7時ともなると。煙りに段々くすんでくるのが解ります。 環境庁では、環状6号線と川越街道が交差する『熊野町』交差点にはNOx,浮遊煤塵、SO2,等の測定局は、作ろうとしていません。

 豊島区保健所運営協議会の席上で発言して、善処しますと言ってから、もう2年。いまだにできないのを見るに、地元の家庭医の言うことなんか聞く耳がないのかも知れませんね?

 私の調べ得る範囲では、熊野町交差点1キロメートル四方で出る浮遊煤塵の量は一日約1トン以上になる事実を、なぜ解ろうとしないのか? 同じ日本民族、同じ子供をもつ親としても、ちょっと変だと思いますよ。文明の発展は、私たち人類にとって多大なる貢献をして来たと同時に、自然破壊、環境汚染、等これからの次代を担う子供達の財産である、健康で且つ快適であるべき未来の生活権をも取り上げてしまった、というジレンマにもうそろそろ我々大人達も、気が付いてもいいんじゃないか?と思うのです。

 今だったら人類の知恵と、地球の自然治癒能力をもってすれば、十分に元に戻れるというギリギリの場面に来てしまっているという危機感をもっているのは私だけでしょうか? 国会のお偉いさん達には解ってもらえないでしょうね? 自分にも、お孫さんがいるのでしょうに。その孫の健康にたいしては全く注意をはらわない、じいちゃんなんて、全然偉くもない。



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