筋肉マンが溶けちゃう話

 筋肉マンが溶けちゃう話[電撃性横紋筋溶解症:溶連菌感染症]

 最近マスコミでかなり取り上げられているので調べました。

1:原因:A群溶血性連鎖状球菌と言って、血液寒天培地上のばい菌の集まった周囲に、血液が溶けた跡である斑点状の赤色斑を呈する、連なった状態でいるばい菌の仲間のうちのA群に入る細菌が原因です。英語では、Streptococcus pyogenes[ストレプトコッカス ピオジェネス]と言います。

2:症状:急激な横紋筋[運動するときに使う筋肉]の壊死や溶解による、高熱や激痛や意識障害があります。又横紋筋が解ける事によって血液中に、カリウムが大量に出る事による、高カリウム性心停止があります。大変こわい病気です。

 関連疾患に、電撃性猩紅熱や悪性猩紅熱等があります。横紋筋溶解症についての論文が見当たらなかったので、同じ溶連菌が原因である『猩紅熱』と言う病気について述べてみましょう。

3:猩紅熱[ショウコウネツ]:法定伝染病の一つ。秋から冬にかけて主に小学生に多く見られる。体に発疹が出るぐらいで終わる軽症な者が最近では多くなっています。

@『原因』は上述の、『A群β[ベーター]溶血性連鎖状球菌「溶連菌」』と言う細菌です。

A『症状』は、突然高熱を出します。頭痛、喉の痛み、気持ちが悪い、吐いてしまう等の初発症状があり、少し遅れて教科書的には、[首〜胸〜腹〜背〜太もも]の順に特徴ある発疹が出てきて、3〜5日で消えてきます。特徴ある発疹とは、あたかも霧吹きで吹き付けたような鮮紅色の細かい点状で、一面赤く見えます。喉が赤く腫れるのが特徴です。又舌が『イチゴ状』になるのも特徴的です。

 更に口の周りには発疹が無いのが特徴的です。これを『口囲蒼白』と言います。この病気は、経験的に解りますが、学問的に確定診断を下すためには、喉からの溶連菌の証明が必要になって来ます。最近では10分ぐらいで結果の出る『迅速溶連菌検査診断法』である、『ストレプトAテストパック』とか、『ピリカパック日研』が発売になっています。

 現実は、迷ったときには必要ですが、臨床症状で解ったときには3割負担のお母さん方に財政的な負担がかかるのであまりやっていません。

B『治療』は、10日間ぐらいのペニシリン系の抗生剤の内服が昔から教科書に載っています。が自分で飲んでみてアレルギー反応を起こしたし、生臭くて飲みにくいので、当医院では、『ケフラール細粒』又は、『フォスミシンドライシロップ』を使っています。これらの抗生剤を用いる際には、腸管内の細菌叢にも注意を払い必ず乳酸菌製剤である、『エンテノロンR』又は『ビオフェルミンR』を一緒に混ぜています。

C余病について:リウマチ性の病気があります。心筋炎、腎炎、があります。この溶連菌はその毒によって喉から遠くの場所にいろいろな悪さをするのが困った事なのです。これを病巣感染[フォカールインフェクション]と言います。従ってこの溶連菌感染症を疑った場合には、尿の検査が必要になります。

 又病状の把握には、血液検査も又必要になります。白血球数や血液像、ASLO値[Anti Strept−O:溶連菌の出す蛋白に対する抗体]、CRP[炎症の度合いを見る方法]、肝機能、心電図、腎機能等の検査をして早期に余病の発見に努めます。

 早期発見早期治療が大原則になります。横紋筋溶解症も同じ溶連菌が原因ですので、早期に医療機関に行けば治療方法は同じで、治ります。



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