1万歩

 先生? なぜ1万歩を歩け!歩け!って言うんですか?

 先日こんな質問が出たので、調べてみました。東京慈恵会医科大学の論文です。一日一万歩を、何故歩く必要があるのかについての回答です。実ははっきりしないのです。

 昭和50年度の日本体育会協会スポーツ科学研究報告の中にある「社会人の必要運動量に関する研究」では、「軽い作業に従事する男性の最小必要運動量は、1日250キロカロリーで、女性は150キロカロリーを目標とする」としています。

 この提言から一万歩運動が考えられました。即ち、

1:一般的な男性が普通に歩くときには、一分間に3キロカロリーを消費します。250キロカロリーを消費するためには、約80分間歩く必要があります。その場合の歩数が一万歩になります。

2:女性の場合には、一分間に2、5キロカロリーを消費します。150キロカロリーを消費するためには、約60分間歩く必要があります。歩幅が男性よりも小さいこと、ショッピングなどで真っすぐに歩くことがない、などを考慮すると、ほぼ1万歩になると考えられています。

3:一方米国フィラデルフィアの、ロダール博士らは「足の骨からのカルシウムの脱出を防ぐためには、一日3時間以上立っている必要があります」と論じています。骨細胞は、機械的なエネルギー[歩行]を生物学的エネルギーに変えることのできる組織です。

4:上記の事の証明に、宇宙滞在の飛行士の実験データーがあり、宇宙滞在8日間のジェミニ5号に乗り込んだ宇宙飛行士の場合、20%ものミネラル『骨の密度』の減少が、レントゲン学的に証明されました。今と違って当時の宇宙ステーションは狭くて、みんな横にじっとしていなければなりません。無重力で、かつ運動のできない日数が8日間あっただけで、骨は20%のカルシウムの脱出が認められます。

 重力とかの、労力がかからないと、骨細胞は怠けてしまい、軟化してしまいます。最近の宇宙ステーションでは、この経験をもとに、全身の骨とか筋肉にある程度の負担がかかるように、わざとしてあります。

5:立ったままで3時間の時間が必要ならば、歩けばたぶん1時間半ぐらいでよいだろうと考えて、一万歩運動が考えられてきたそうです。

6:一番の重要な問題は、過食です。運動不足の人は一般に過食症です。ラッシュアワーなどでくたびれたといっては、ばくばく食べてしまう。食べるな、と言っても、体が要求するなんて言ってまた食べてしまう。大脳新皮質が高度に発達した現代人類は、食欲を始めとする本能を忘れてしまっています。これらの人は、食べたからには、そのエネルギーを消費せねばなりません。

 したがってこのような人のために、『一万歩運動』が提唱されました。一方、外胚葉性の神経質体質の人は、無理に歩かなくっても、立っている時間を確保できれば、それでよいとの報告でした。

 以上が調べた情報です。確かに経験上、歩くとか、スポーツをするということは、ストレス解消には、良いことです。テニスなどで球を打つと、スカットします。これらからも一日一万歩以上歩くことは健康増進によいと思います。この辺の科学的な証明をぜひもっと研究してもらいたいなあ、と思って、運動不足の毎日を送っています。



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