先日『腰痛』について勉強しました。オリンピックの重量挙げの選手の腰には何と! 1トン以上の重さがかかり、それを腰椎の一点で支えているのだそうです。腹筋、体腔内圧調整という体の調節共同機能で、はじめてできるのです。普段の鍛練の大切さが分かります。原因別に分類するのはあまり実際的でないと思いました。治療別に分類してみました。
1:軽い腰痛体操で治る腰痛症:無理せずにやってください!
2:けん引療法等で治る腰痛:セミファーラー氏体位で牽引します。
3:漢方薬で治る腰痛症:腰痛症に用いられる主な漢方薬について述べてみました。
@大柴胡湯[だいさいことう]:肩凝り、息切れ、舌乾燥等の随伴症状がある、体力のある肥満傾向の実証の人によい。
A防已黄耆湯[ぼういおうぎとう]:みずぶとり傾向のある人に良い。
B帰耆建中湯[きぎけんちゅうとう]:これはエキス剤にないので、当帰建中湯[とうきけんちゅうとう]に黄耆を1〜2g加えて作ります。
C十全大補湯[じゅうぜんだいほとう]:全身がだるく、疲れ易い、虚弱体質の人の腰痛によい。体を暖めて治そうという方法です。
D八味地黄湯[はちみじおうとう]:腰部、背部、下半身の脱力感を伴う人で、腹部を触診すると、臍下不仁または小腹不仁という特徴のある腹部の所見を認めます。
E芍薬甘草湯合麻黄附子細辛湯[しゃくやくかんぞうとうごうまおうぶしさいしんとう]:これもエキス剤がありませんので、芍薬甘草湯と麻黄附子細辛湯とを併せて作ります。
F当帰四逆加呉茱萸生姜湯[とうきしぎゃくかごしゅいしょうきょうとう]:冷え性の人で腰痛を訴える人によいと思います。
G桂枝加朮附湯[けいしかじゅつぶとう]:虚弱体質で冷え性の人に使います。
その他にもいろいろな漢方薬があります。私は、上記の薬剤に、附子とか、ヨクイニンエキスを加えています。
4:西洋薬でないと止められない腰痛:筋肉の緊張を緩めてあげる目的で、筋弛緩剤があります。セルシン[2_c]一日1〜2錠、テルネリン1〜2錠等があります。一般に酸性の消炎鎮痛剤は、高齢者に投与すると『胃潰瘍』ができる場合が多々あるために投与しません。投与するとしたらプロドラッグ、座薬にします。また、なるべく中性か塩基性の消炎鎮痛剤を投与します。ソランターール、アセトアミノフェンなどがあります。レリフェン、ロキソニンと胃散を組み合わせて投与する場合もあります。いずれにしろ、痛みという苦しみを取り、腰椎、脊椎、腰部筋膜の炎症をとり、神経の圧迫状態を早く取ってあげるのがその目的になります。
5:外科的方法でないと止められない腰痛:腰部椎間板ヘルニアがあります。完全に腰椎と腰椎の間の軟骨が出て、神経を圧迫しているときには、手術となります。しかし、ここまでひどくなる場合は少ない。いずれにしろ予防が大切。カルシウム、ビタミンD等の予防的内服が大切になります。裏の腰痛体操とバランスのよい食事と、上記の予防薬を上手に使って健康に長生きしましょうね。