先生!親戚がクモ膜下出血で入院しているんですが。
どんな病気ですか。

田村医院 田村 仁

先日このような質問を受けましたので一言。『クモ膜』とは、大脳、小脳等の、脳を包
んでいる膜で、その膜の外側には、動脈が網の目のようになって、脳細胞に栄養と酸素
を運んでいます。この動脈に何らかの原因で、コブが出来てそのコブが突然破裂すると
血液が噴き出します。そしてこの血液がクモ膜下に溜まり、脳を圧迫するために、意識
が無くなったり、命がなくなっちゃたりします。
原因:生まれながらの、即ち先天性の動脈血管の奇形が最も多い。動脈と静脈が直接
交通しているという奇形、梅毒性のもの、高血圧が常時起こっていると云う病態、
動脈硬化、痛風[高尿酸血症]、アルコール性のもの、糖尿病性のもの、タバコによる
もの・・・等いろいろな原因があります。
前兆の把握:必ず数度又は、十数度前兆現象があります。例えば、持続する頭痛、肩凝り、何とも言えない気分の悪さ、目眩、耳なり、頭が重い、フラつき、などがあります。
ここで医者にくるか、医者に訴えるかして、脳外科へ行って精密検査をして初めて、
早期発見ができるのです。
検査:最近では、CTスキャン,MRI,血管造影、などが進歩して、小さな動脈瘤も
解る時代になりました。さらにもう間もなく、目のところに小さなマイクロフォンをあてて、極小さな動脈瘤からの雑音をキャッチして早期発見が痛みもなしに解る時代が来ます。もうすぐです。発売になったら真っ先に買っちゃおうって思っています。乞うご期待。
早稲田大学工学部で、確か、研究されていると云う報告を見たことがあります。
治療:いろいろな新しい方法が考えられています。例えば、腕の静脈から磁石を注射して、その磁石を動脈瘤に集めて詰まらせる方法。ある種の放射線をその動脈瘤のところへ
照射して、固めてしまう方法。等が現在動物実験されていてもう間もなく実用化されます。現在は、オペです。でも緊急オペではありませんんので、安全に行えます。その問題の
動脈の両端をクリップしてしまいます。時間も以前に比べたら格段に早くなっています。以後は、定期的に検査をすることと、動脈瘤が詰まらないように、坑血栓療法をします。予後:早く見つけて、早く治療をすれば、『俺は元気で医者要らず。』って云っている
普通の人よりも長生きします。後遺症もなく、普段通りに生活が送れます。
予防:現在動脈瘤ができる理由について、遺伝子レベルでの解析が行われています。
DNAの解析です。要するに、遺伝子のどの部分のアミノ酸の異常で起こるのかがわかれば、その遺伝子のその部分を、正しく変えてあげれば完治してしまいます。細胞は、
一刻一刻入れ替わっています。従って正しい細胞を入れてあげれば、正しく直してくれます。細胞工学ってものは、このようにして地味ではありますが、確実に人類に起こっている病気に対して戦い、勝利して行きます。遺伝子治療については、いろいろな意見がありますが、病気の人自身が考える法が民主的だし、もっと医者を信頼してほしいし、ましてや医療費が増加するなんて経済の部分でとらえられるともう嫌になっちゃいますよ。
今回は、クモ膜下出血について述べましたが、このような分野にも遺伝子治療が考えられて来ています。遺伝子治療は人類の幸福のために人類の英知を集中して行われています。又早期発見の方法についても、痛み苦しみの無い方法について研究開発の努力が続けられています。人類には輝かしい未来があるんですよ!。今回はここまで。



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